リアルタイムモニタリング:ワサビの揮発性成分放出挙動 | 理化学製品の株式会社バイオクロマト | 理化学製品の株式会社バイオクロマト

リアルタイムモニタリング:ワサビの揮発性成分放出挙動

アプリケーション

はじめに

・「ワサビは笑いながらすれ」という諺があるが、これはワサビはすり方の違いにより風味が異なるためであり、ワサビ本来の風味を味わうためには、力を入れずに細かくすれと教えたものである。また、鮫皮おろしを用いると、空気をたっぷりと含み、きめ細やかでとてもクリーミーな状態になることも知られている。
・今回、揮発性成分測定用システムである Volatimeship DART-MS を用い、2種のおろし器を用いた時にワサビの香り立ちの違いを可視化した事例を報告する。

試料

・ワサビ
・おろし器(鮫皮、ステンレス)

方法

Fig.1の分析システムを用い、下記①②の手順で測定を行った。
※ すりおろす量は、0.3g/分になるように揃えた。
※ Volatimeshipの吸引口は、下記②の位置に設置した。

結果

・Fig.2に、ワサビから検出された揮発性成分のマススペクトルを示す。両おろし器間で検出成分の種類に明確な差異は確認されないが、鮫皮はステンレスよりも全体的に検出強度が大きい。また、ワサビに含まれる辛み成分でわさびの香りの主要成分として知られているアリルイソチオシアネート([C4H5NS+H]m/z 100.02)も検出されていることが確認された。
・Fig.3にアリルイソチオシアネートの放出挙動(EIC)を示すが、鮫皮では、すりおろし開始直後から検出されており、一方、ステンレスではやや遅れて放出されていることが視覚化された。また、鮫皮とステンレスでは、放出量が異なっており、今回の評価においては、鮫皮の方がステンレスより勢いよく放出されることが視覚化された。
・すりおろしたワサビの状態を確認すると(Fig.4)、鮫皮ではクリーム状になっており細胞が細かく破壊されたためアリルイソチオシアネートの生成量が多くなり、一方、ステンレスではボソボソとした状態になっており細胞の破壊度が鮫皮よりも低く、その発生量が低くなっていると考えられた。このように今回の検討では、すりおろされた状態の違いが、香気成分(アリルイソチオシアネート)の香り立ちに及ぼす影響を視覚化することができたと考える。




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