コンビニ・エバポ 第42弾
導入事例紹介(ユーザーズボイス)
残留溶媒が少なく、貝毒の標準物質のように希少で高価なサンプルを繰り返し使用できます!
今回は有機標準物質(純物質・標準液)の開発と定量分析法の高度化を研究テーマとする国立研究開発法人産業技術総合研究所 山﨑 太一 先生に弊社製品のご意見やご要望を伺ってまいりました。
(インタビュー先 国立研究開発法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター(NMIJ)物質計測標準研究部門 有機基準物質研究グループ 山﨑 太一 先生)
研究内容/濃縮の目的
- 私の研究テーマは有機標準物質(純物質・標準液)の開発と定量分析法の高度化です。
濃縮の目的は標準液の溶媒交換です。
コンビニ・エバポC10ライトの活用方法
- 標準液(軽溶媒)を調製した際に、コンビニ・エバポを使用して溶媒留去します。
そのあとに内部標準溶液(重溶媒)を添加し、NMRで測定します。試料の回収が必要な際は、再びコンビニ・エバポを使用して重溶媒除去することもあります。
設置場所/実験条件
- 設置場所はドラフト内や窒素置換したグローブボックス内で使用します。
- ドラフト内ではコンビニ・エバポC10ライト(※10検体同時濃縮可能なコンビニ・エバポ)、グローブボックス内ではカスタマイズしていただいた3検体モデルをご使用しています。いずれの装置も溶媒はメタノール(1~3ml)で容器はスクリューバイアル(No,3)を使用、常温で濃縮、頻度は月に数回程度です。
コンビニ・エバポ 導入による変化
<導入前の課題>
- 窒素吹付やロータリーエバポレーターを使用していたのですが、窒素吹付装置は吹き付ける量を調整することが難しく、飛散しない程度に吹き付けると試料中の溶媒が飛びきらないことがありました。その為、吹き付ける量を多くするのですが、今度はニードル先端にサンプルが付着し、汚染してしまうケースがあり、次のサンプルの汚染を防ぐための洗浄する手間や準備に1日かかることなど課題がありました。
<導入後の改善点>
- コンビニ・エバポは対流してくれるために、バイアル壁面に乾固しながら濃縮され、残留溶媒が少ないので、助かっています。また、Spiral Plugは取り外しが容易で洗浄しやすく汚染が少ない点で評価はいいですね。
<課題やご要望>
- 3検体モデル使用時はグローブボックス中にポンプも入れて溶媒を除去し、除去した溶媒は5L/min程度のフローでドラフトに排気しているのでまだいいのですが、10検体モデル使用時に不活性ガス化で濃縮したい場合は多量なガスが必要な点ですね。
取材者のコメント
お話を伺った山﨑先生は、窒素吹付装置を使用した際に吹き付ける量の調整による飛散や汚染を減らすことが課題となっていました。コンビニ・エバポを導入することで、窒素吹付装置と比較してサンプルを飛散させることなくマイルドに濃縮が可能となり、コンタミの懸念も解消することが出来る点にご満足いただけた様子をお伺いすることができました。また、『貝毒の標準物質のように希少で高価なサンプルを繰り返し使用することが可能になった』点も評価良好だというコメントを頂き、山﨑様のお役に立てていると実感することが出来、大変嬉しく思いました。
(取材担当:坪川)
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