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コンビニ・エバポ 第40弾

導入事例紹介(ユーザーズボイス)

サンプル変性なしで、膜ろ過液を濃縮できるようになりました!

今回は、高精度な膜フィルターの開発・研究をされている、山村先生、丁先生にお話を伺いました。

インタビュー先:
中央大学 人間総合理工学科 水代謝システム工学研究室 山村 寛 教授、丁 青 助教

ご研究内容


膜を中心とした浄水システムの研究
→膜ファウリング(溶液・粒子が膜表面または膜細孔に堆積するプロセス)
を解決する技術を開発しています。
下水道の価値向上についての研究
→バチルス菌活性膜分離活性汚泥法、リン吸着多孔質膜、嫌気MBRによる汚泥処理について研究しています。

河川等に存在する、分子量10Da以上の有機物の総称であるバイオポリマーに着目しています。バイオポリマーにより膜目詰まりなどが発生するメカニズムや、酵素によるバイオポリマーの分解方法を開発しています。

これまでの作業


バイオポリマーは、濃度が数ppbと低いことから、膜水処理膜表面へのバイオポリマーの吸着量を測定するためには濃縮をする必要がありました。
今までは測定の前処理として、凍結乾燥機を用いてサンプルの濃縮をしていましたが、固体化(凍結)をさせる事により、サンプルが変性してしまう点に大きな課題を感じていました。
また完全にサンプルが乾固してしまう事もサンプルが変性に繋がってしまうため、乾固させないよう、濃縮中のサンプル液量を確認したかったのですが、凍結乾燥機ではサンプルの状態や液量を目視で確認できない点も課題でした。濃縮時間としては、200mLのサンプル(膜ろ過液)をナスフラスコへ入れて20mLまで濃縮する、という作業をしていて、24時間程かかっていました。

コンビニ・エバポを使ってみて感じたこと

コンビニ・エバポは、展示会で見かけて存在を知りました。
そこからメールマガジンが届くようになり、代理店からカタログを頂いた事もあり、
興味を持つようになったので、コンビニ・エバポC1を導入してみる事にしました。

<利点>
コンビニ・エバポ導入後は、サンプルを変性させずに、液体のまま濃縮する事が出来るようになり、濃縮中にサンプルの状態を確認する事も可能になったため、液量の管理も可能になりました。変性させずに濃縮できるようになった事で、様々な分析に供することができるようになりました。

サンプルの膜ろ過液をコンビニ・エバポで濃縮した後は、QCM法(水晶振動子マイクロバランス法)での吸着実験をしています。コンビニ・エバポでの濃縮時は、加温温度は30℃で気流を弱くして作業をしています。サンプルが変性をしてしまうと正確な定量が行えなくなってしまいますので、時間はかかるのですがサンプルの質を保つためにこの方法にて濃縮をしています。

コンビニ・エバポは操作が簡易なため、今後はもうひとつの研究課題(下水道の価値向上における研究)においても活用が出来そうです。凍結乾燥によるサンプル変性を起こしたくない場合には、コンビニ・エバポがおすすめです!

≪濃縮する際の実験条件≫
・溶媒名/溶媒量:膜ろ過液10mL
・容器種類/容器容量:50mL遠心管
・温度設定:30℃
・濃縮頻度:1度に膜ろ過液から3サンプル程採取→1日1サンプルを濃縮
・作業時間:8時間程度※サンプル品質保持のため、気流をとても弱くして作業しています。
・設置箇所:実験台

<ご要望>
夜間も利用したいので、タイマーで自動ストップしてくれる機能があると安心です。また、サンプルを完全に乾固させたくない時に、一定の液量になったら自動でストップをしてくれる機能があると尚良いです。

取材者のコメント

山村先生、丁先生、学生の皆様、この度はご多用の中、ユーザーズボイスの取材にご協力をいただきありがとうございました。コンビニ・エバポを導入いただいてから数ヶ月での取材となりましたが、すでに皆様で装置を使いこなして頂いており安心いたしました。
先生の研究室のHPのトップには、“水は自然からのおくりものであり、いのちの源でもある”という文言がございます。昨今、SDGsにも「安全な水とトイレを世界中に」という目標があり、感染症予防のための手洗い・うがい時の水道水の利用増、災害時の飲み水・生活用水の確保など、より「水」を必要とする時代が来ていると感じています。まさに先生のご研究は、地域・社会、果ては世界中の人々の健康と命を守るものであり、その研究の中でコンビニ・エバポがお役に立てているとのこと、大変光栄でございます。今後も皆様のご研究を、応援して参ります!
先生の研究室ではサンプル変性を防ぐため、コンビニ・エバポご使用の際は気流を最小にして濃縮作業を行って頂いております。手動で気流を制御する事ができるアナログさで簡易的な操作を実現している一方、ご要望にもあったとおり、タイマーで自動ストップ出来る機能(※)や、一定の液量でストップする機能があるとより便利にご使用いただける、と今回の取材で気づかせて頂きました。頂いたご要望については社内にて検討させていただきます。大変貴重なお声をいただきありがとうございました。
今後もご期待に応えられるよう努めて参りますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
※現行機種のうち、コンビニ・エバポC10にはタイマー付きストップ機能の搭載がございます。

(取材担当:坪川)

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