コンビニ・エバポ 第36弾

ユーザーズボイス

農薬分解微生物における微量水溶性代謝物のLC/MS分析前処理に欠かせません!
液体培地をそのまま濃縮・乾固。液液分配にかかる時間と有機溶媒も削減出来てエコ

今回は、土壌中の自然浄化作用では分解されない残留性有機汚染物質/POPs(Persistent Organic Pollutants)を微生物の物質分解能を用いて無毒化処理する技術(バイオレメディエーション)の開発をされている某研究機関のT先生に、弊社製品のご意見やご要望を伺ってまいりました。

インタビュー先:
某研究機関 T 様

T様の研究内容

私のテーマは農薬等難分解性有機化合物の環境中(特に土壌)における動態解明・制御に関する研究です。特に、分解微生物(特許菌株多数保有)と木質炭化素材を用いたトリアジン系化合物(シマジン、メラミン等)やPOPs農薬(ヘキサクロロベンゼン(HCB),ヘキサクロロシクロヘキサン(HCHs),ペンタクロロフェノール(PCP),ディルドリン、エンドスルファン)のバイオレメディエーション技術の開発に取り組んでいます。
POPsの動態解明においては微量な分解代謝物の化学構造決定が必須であり、その工程で使用している単結晶X線構造解析装置やLC/MSの分析前処理にて微生物分解培養液のドライアップをする際にコンビニ・エバポを利用しています。

コンビニ・エバポ 導入のきっかけ

現在の共同研究者が元々コンビニ・エバポを知っていて、幕張メッセで開催されたJASIS(2020年11月)のバイオクロマトの展示ブースへ一緒に装置を見に行ったことがきっかけでした。
少量のお茶の水分をいとも簡単に濃縮できる様子に一目ぼれしました。

コンビニ・エバポを使ってみて感じたこと

<利点>

培養液の濃縮・乾固作業にかける時間の短縮と溶媒コストを削減できました。また、培地成分由来の夾雑ピークが不思議と凄く綺麗になりました。
従来はロータリーエバポレーターを用いて培養液とアセトニトリルで共沸させながら蒸発させていました。その際、フラスコを水浴で加温する時に蒸気が混入することで試料が湿ってしまう恐れがありましたが、コンビニ・エバポの加温は水を使わないので安心です。
また、微生物液体培地は濃縮が進むにつれて粘性が高まりやすいため、突沸が発生しないように見張る必要がありました。
コンビニ・エバポの場合は有機溶媒と共沸させずともそのまま水を乾固させることができ、常圧で突沸リスクもないので放っておいても溶媒を飛ばせるのが良いと感じています。
例えば、50mL容量のバイアル瓶に入れた培養液10mLを濃縮・乾固させるのに、55分程度(Spiral Plugのバイトン素材を利用)で済みました。従来かけていた時間の短縮は勿論の事、突沸の心配もないのでその間に別の作業をすることができました。

<ご要望>

今後、コンビニ・エバポを利用した前処理作業における回収率の向上に期待しています。
水系サンプルを乾固後、アセトニトリル2.5mLをガラスバイアル容器に添加し、超音波処理を1分で再溶解させた場合の回収率は33%でした。
培地由来の塩が乾固されることによって多量に析出するため、それら塩と微量な代謝物質とが一緒にガラス壁面へ吸着している事が懸念されました。
水系サンプルを乾固後に有機溶媒で再溶解させる際に回収率を高めるコツなどが、コンビニ・エバポユーザーのノウハウとして共有される事を願います。
また、私たちは微量農薬分解代謝物に対して、結晶スポンジ法を用いた単結晶X線構造解析を試みております。微生物培養液中から抽出した微量未知代謝物質の化学構造決定において、質量分析計による精密質量やNMRスペクトルからの構造推定をせずに直接同定することを目指しています。
今後は、クロマトグラム上にて検出される数十本、数百本の未知ピーク各々をLC分取して濃縮・乾固させる必要があります。例えば御社のコンビニ・エバポで12穴、24穴もしくは96穴のガラスウェルプレートを用いて試料を乾固させる事ができれば、その後の単結晶のピックアップや、結晶スポンジ法のハンドリングも更に効率化できるのではないかと感じております。

取材者のコメント

T先生、この度はお時間をいただきありがとうございました。
JASIS展では、機器の前でお茶を飛ばしながらの会話が大変盛り上がったことを今でも鮮明に覚えております。
バイオレメディエーション技術の開発により、人間の健康と環境に害を及ぼす残留性有機汚染物質の浄化に取り組まれておられる先生の活動は、私たちにより安心した日常生活をもたらすことに繋がることを実感いたしました。
また、コンビニ・エバポを利用した分析の前処理作業における回収率の向上が課題と捉えられており、
他ユーザーがどのような対策をされているか、情報共有のご要望をいただきました。
コンビニ・エバポのノウハウを持つ、様々な研究分野のユーザー同士のネットワーク構築が
我々の新たな使命であることに気付かされました。大変貴重なお声をいただきありがとうございました。
今後もご期待に応えられるよう努めてまいります。
(取材担当:菊地)

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