コンビニ・エバポ第33弾
導入事例紹介(ユーザーズボイス)
リン脂質合成で ロータリーエバポレーターと併用しています
今回は、リン脂質合成の研究テーマで コンビニ・エバポ4検体モデル をご使用頂いている本多 智 先生にお話を伺いました。
(インタビュー先:東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 助教 本多 智 先生)
本多先生の研究内容
- 研究テーマは両親媒性分子による分子集合体の構築に関するものです。
コンビニ・エバポ4検体モデルの活用方法
- 合成過程で得た溶液を濃縮するために使用しています。
- 合成に関連したものでは、高分子合成のための新しいモノマーを作ったり、それらのモノマーを利用した新しい高分子を合成したり、そうした新しい高分子を含む両親媒性高分子の合成や高分子一分子の形状を操作する研究などを実施しています。
- いずれも、新しい有機・高分子物質を合成する実験ですので、フラスコの中で原料を反応させ、
反応が終わった後には精製します。
精製操作の中には濃縮もありますので、そんなときにはコンビニ・エバポの出番となることもあります。
<容器・容量等の実験条件>
- 試料を分液し精製する過程や、溶媒量が多くなってしまったスクリュー管内のサンプルの濃縮、
バイアルに保存する用途などで使用しています。
CPME,ジクロロメタンなど様々な残留溶媒を留去させています。
- 50mlスクリュー管で容量は5ml~30ml位を40℃に設定で濃縮しています。
実験工程で完全に残留溶媒を除去する必要があるため、ロータリーエバポレーターとコンビニ・エバポ、真空ポンプを併用して使っています。
<使用頻度>
- 毎日使用しています。一回あたりおおよそ1時間程度の稼働時間だと思います。
実際使ってみて感じたこと
<利点>
- 4サンプルを一度に処理出来るので効率化に繋がりました。
普通のロータリーエバポレーターに比べて,突沸が起こりにくいため、その場を離れることが出来ることや、(容器の移し替えが無いので)サンプルのロスを減らすことができると思います。
また、両親媒性分子を含む溶液から溶媒を留去しようとすると泡立ってしまうことも多く、
そんなときにはコンビニ・エバポが役立ちます。省スペースで留去できるのもいいですね。
研究室のラックに偶然きれいに収まったんですよ。
<改善点やご要望>
- 使用時の振動が気になることですね。
コンビニ・エバポを使用しているときは、レオメーターの測定に影響するので(ノイズが出る)真空ポンプの振動が抑えられるといいですね。 - あとコンビニ・エバポを導入検討していた時、2連のミニエバポとどちらにしようかと比較していたんです。酸化反応を気にしなければならない実験だとコンビニ・エバポは使えないので結局両方購入しました。
- (※振動が気になるようでしたら、まず真空ポンプを床においていただくのが一番です。
または防振していただくかになります。しっかり対策するとなるとコストがかかります。
まず100円均ショップにも防振グッズがあまりますのでまずお試しいただくのもいいかもしれません。)
取材者のコメント
今回お話を伺った本多先生は、生体分子の構造に倣った有機・高分子ソフトマテリアルの創製を研究テーマにされています。リン脂質からGV作製や、特殊構造高分子の合成、機能性ナノ構造の構築、および刺激応答性材料の開発をされています。実験ではこれまでロータリーエバポレーターや油回転真空ポンプを使用していました。コンビニ・エバポ4検体モデルを導入され、突沸しやすいサンプルの溶媒留去の作業で突沸リスクが無く安心して作業を行えること、一度に複数のサンプルを処理できるなど効率化を実現できた良い事例となりました。
(取材担当:渡辺、大竹、横沢)
デモ依頼・ご質問等受け付けております