コンビニ・エバポ第18弾
導入事例紹介(ユーザーズボイス)
光合成色素分析の前処理時間が大幅に短縮しました!!
今回は、光合成の研究を行い、光合成色素分析の為にコンビニ・エバポを
ご使用頂いておられる鞆先生にお話を伺いました。
(インタビュー先:東京理科大学 理学部 鞆研究室 教授 鞆 達也 先生)
鞆先生の研究内容
- 当研究室では、光合成光エネルギー変換機構の解明を対象に研究を行っています。
- 光と水および二酸化炭素を使って、石油に代わる有用な化合物の創生や、生体分子を用いたCCD等の微弱な光検出器に応用することも可能です。その材料を見つける為に、藻類を主材料として光合成の原理解明を行っております。
コンビニ・エバポ導入のきっかけ
- 水が飛ばせる装置を探していたところに、代理店がコンビニ・エバポのカタログを持って来たのですが、
内容を見て「おっ」と思いました。これまでの私たちが参加する学会等では見た事が無かったので、直ぐに試してみたいと感じました。
活用方法
- コンビニ・エバポは、HPLCで光合成色素分析する前処理で使用しています。
- HPLCでの前処理は、世界各地で単離された藻類から精製した色素結合タンパク質を遠心濃縮後、有機溶媒を用いて色素抽出して再度遠心し、その上清をコンビニ・エバポで濃縮する、といった作業です。
- (実験室にある藻類)
<溶媒・容量などの実験条件>
- 溶媒はメタノール・水系やアセトン・水系で、バイアル瓶は1mLや2mLサイズを使用します。
生体試料を用いるので、基本的に室温で行っていますが、窒素雰囲気下で、短時間で濃縮出来ています。 - 濃縮は、基本的には乾固まで行いますが、例えば500 μLの溶媒を数 μLにすればHPLCに打ち込めるのですが、それにかかる時間は水の混入があるので、おおよそ20分位です。試料由来の水がどうしても発生するのですが、コンビニ・エバポは水系の溶媒を短時間で飛ばせる魅力があります。
コンビニ・エバポ導入による変化
<導入前の課題>
- これまではロータリーエバポレーター1台で、先ほどお伝えした作業工程で、熱をかけられないことや、水が飛ばない為、長ければ数時間は費やしていました。
- 更にフラスコは表面積が大きいので、試料が壁面いっぱいに付いてしまうため、回収の際のロスになっており、微量の試料を扱う上で大きな問題になっていました。
<導入後の改善点>
- 時間が大幅に削減されました。コンビニ・エバポによって数時間の作業が数十分以下となり、分析の測定回数が増やせました。
極論ですが、今まで1日1回の測定だったのが、6回行えるようになったイメージを持って頂くとわかりやすいかもしれません。測定回数が多ければ多いほど信頼度の高い良いデータとなります。
実際使ってみての感想
- 現在3名がコンビニ・エバポを使っておりますが、装置の身軽さや簡単に操作出来ることから、学生へ説明がしやすかった印象もあり、卓上の装置占有面積も以前と比べて半分以下になりました。
- また、これまでは操作ミスにより突沸による試料のロスがありましたが、コンビニ・エバポでは原理的に
突沸が無いので安心して使用でき、当研究室での分析効率が向上し、貴重な存在となっています。(コンビニ・エバポC1:光を避ける為、濃縮最中は黒いカーテンを閉めながら行います)(HPLC:コンビニ・エバポC1の横に配置されています)
取材者のコメント
光合成の原理を解明し、エネルギーを利用する事で新しい素材へ繋げる研究を行っている鞆先生は、これまでHPLCで分析する為の前処理作業が数時間もかかっていました。
どうしても試料に由来する水が入ることから、水の濃縮を課題とされていたのですが、コンビニ・エバポは水を初めとする高沸点溶媒を効率的に飛ばせることから、作業時間の大幅改善になり、前処理作業が数十分以下となりました。
また、突沸のリスクが無く、室温で濃縮が行える為、熱の影響を受けて壊れやすい生体試料でも安心して快速に濃縮出来る点は、魅力的であると大変ありがたいお言葉を頂きました。
前処理作業時間の短縮が、測定回数の増加に繋がり、信頼度の高いデータを生み出す、といったコンビニ・エバポのメリットがまた一つ生まれたと感じました。
弊社製品を進めて下さった代理店様にも感謝申し上げます。
(取材担当:菊地)鞆先生のホームページは下記よりご覧頂けます。
■ 鞆 研究室, TOMO Lab.(Tokyo University of Science) >>
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