受託分析 ユーザーズボイス第5弾
導入事例紹介(ユーザーズボイス)
添加剤と熱分解成分の検出パターンによる異同識別~ionRocketによる受託分析~
今回は、自社の工場で対応できない検査やトラブル対応などに関して、分析を行っている水野様にお話を伺いました。
(インタビュー先:協同乳業株式会社 分析グループ グループ長 水野 秀克 様)
水野様のお仕事
- 弊社では、全工場の品質管理基準および検査方法の検証、新製品に表示記載する
ための標準成分測定、特定栄養成分など特殊項目の分析を行っています。
また、工場で対応できない混入異物の分析なども我々が対応しています。
ionRocketによる受託分析のきっかけ
- 毎年情報収集のため赴いているJASISで御社の、コンビニ・エバポ(濃縮装置)を知ったことがきっかけで、以前導入検討を社内で行っておりました。
昨年のJASIS(2017年)に御社ブースを訪問した際には、ionRocket DART–MSをご紹介いただきました。
その際、熱分解GC/MSよりも短時間で、添加剤や熱分解成分の検出パターンに基づき、同材質の樹脂の識別が行えることに興味を持ち、混入異物の分析に非常に有用と感じました。
分析結果による成果
- 異物混入対策の一環として、自社工場で使用されている樹脂のパッキン(同材質のNBR)の3種類の識別をお願いしました。その結果、添加剤と熱分解成分の検出パターンで、明確に異同識別が出来ることが解りました。
- また識別だけではなく、NBRだと思っていた3種の材質も、そのうちの2種に関してはEPDMであったことも明確に示していただくことが出来、大変参考になりました。
- 材質が特定できれば、混入経路が自社に起因するものか、外部に起因するものかが特定でき、製品の品質管理に役立ちます。
- 分析チームでは、FT-IRやEDXなどを用いて材質判別をおこなっていますが、劣化やロット、どの生産ラインであるかは自社では特定できません。
- 受託分析の候補として熱分解GC-MSも考えておりましたが、御社のionRocket DART-MSシステムは、分析に要する時間が、熱分解GC/MSよりも圧倒的に早く、更には、熱分解GC/MSでは分からない劣化度合いの評価も行えるという応用事例も踏まえると、従来では分からなかった異物混入個所の推定ができる非常に有効な分析手法であることが確認できました。
取材者のコメント
近年、食の安全性に対する意識が高まる中、水野様も万一の異物混入に対応できる手法を
色々とご検討されていました。
その中で、今回の受託分析を通じ、ionRocket DART-MSを用いることで、異物の材質特定や同材質間での識別が
明確に行えることを把握していただくことが出来ました。
また本手法を活用することで、混入個所特定のために工場内の部材に関するデータベース作成なども行えますので、
引き続きご協力させていただきたいと思っております。
(取材担当:菊地・大竹)
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