分析装置
ionRocket Q&A
Q1:ionRocketとは何ですか?
A1:
試料を室温から600℃まで直線的に昇温加熱するDART用オプションデバイスです。
特に、溶媒に不溶の固形試料などを対象とし「熱抽出」と「熱分解」を無処理で
一度に分析することが出来、「添加剤分析」「ポリマー分析」などへの
適用に威力を発揮します。(右図内①)
Q2:DARTとは何ですか?
A2:大気圧下で励起ヘリウムを試料に当て試料をイオン化するイオン源です。
液体、固体、粉末などの多様な形態の試料を、励起ヘリウムにかざすことで
イオンを検出することが可能です。(右図内②)
DARTに関しての詳細はこちら(エーエムアール株式会社様 ウェブサイトへ)
Q3:ionRocketとDARTは、どの質量分析計(MS)に
付けることが出来ますか?
A3:DARTは大気圧イオン化であるため、LC用のMSにのみ接続可能です。
現時点で各社から市販されているLC用のMSには殆ど接続可能です。
(一部、接続不可の装置があります)(右図内③)
Q4:ionRocketの代表的なアプリケーションには何がありますか?
A4:樹脂中の添加剤分析(同定)、樹脂の劣化評価(正常品との比較)、ポリマーのキャラクタリゼーション、異物分析(同材質間での異同識別)、固体試料中からの特定成分の定性・定量、試料の熱挙動の評価(耐熱性評価)などがあります。
詳細につきましては、分析アプリケーションのページをご参照ください。
Q5:ionRocket DART-MSは定量にも応用可能ですか?
A5:相関係数が、0.99~0.999程度の検量線が得られますので、定量にも応用可能です。特に固体試料中の特定成分を定量する際には前処理を必要としませんので、非常に簡便に行うことが出来ます。
※固形試料などで抽出等の前処理を必要としないため、前処理での誤差を考慮する必要はありません。
Q6:熱分解GC/MSとどのような点が違うのでしょうか?
A6:
①分析時間が早い
高分子中の揮発成分を分析する熱脱着法とその後残渣高分子の熱分解法を連続して行ういわゆるダブルショット法では約2時間程度かかりますが、ionRockt DART-MSでは僅か7分で同様な測定を行うことが可能です。
②測定対象範囲が広い
熱分解GC/MSで対象となるのは、比較的低極性かつm/z 1000以下の成分となります。一方、ionRocket DART-MSでは、低~高極性かつm/z 2000以下までの成分が対象となります。また、GC/MSと異なり分離カラムやコールドスポットがないため、原理上GC/MSでは検出できない成分でも検出することが可能です。
③未知成分の同定が可能
熱分解GC/MSでは、EIによるイオン化のためフラグメンテーションが生じてしまい分子量関連
イオンが検出されづらく、ライブラリーでヒットしないピークを同定することは非常に困難であります。
一方、ionRocket DART-MSでは、ソフトなイオン化であり子量関連イオンが検出されるため、
TOF型、あるいはQ-TOF型などの高分解能MSを使用することで、未知ピークでも成分を同定することが可能です。
Q7:ionRocket DART-MSは測定が簡単だが解析が難しいと言われているが?
A7:添加剤やポリマー原料などの化学工業分野に関しては、弊社で用意しています化学工業用データベースである『Compound Search』をお使い頂ければ、特段の知識や経験が無くても、比較的容易に解析を行っていただくことが可能です。
ionRocketについての詳細情報はこちら
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