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爪中皮脂成分(スクワレン)の直接分析

アプリケーション

はじめにji019_fig1

爪は、表皮の角質が変化して硬化した皮膚の付属器官で、タンパク質、無機分及び皮脂成分などを含有しており、非侵襲で採取でき常温保存が可能であることから、時間的経過を伴う体内情報をモニターするには適している試料と言われている。
爪中の皮脂成分を測定するには溶媒抽出等の煩雑な前処理を必要とするが、今回、ionRocketを用いて無処理で爪中の皮脂成分の直接分析を行った。

 

試料

爪    (4名分:40代男女各1 10代男女各1)

 

方法

分析システムは、DARTイオン源と質量分析計の間に、ionRocket(昇温加熱デバイス)を接続して構成した(Figure 1)。
約1 mm角の爪をPOT(試料台)に入れ、室温から400℃まで100℃/minで昇温した。

 

 

結果

分析の結果、150~250 ℃区間にスクワレンを確認することができた。また、同温度区間には他の皮脂成分としてコレステロール類及び脂肪酸エステル類を確認することができた (精密質量測定及びMS/MS測定により確認)。さらに、4名の爪試料中から検出されたスクワレンのピーク強度を比較したところ、試料中のスクワレン含量に違いがある可能性が示された。
本手法を用いることで、生体試料中に含まれる成分の簡易スクリーニング及び含量比較を行うことができ、爪による体内情報モニターに応用できる可能性が示唆された。

 

 

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