多目的イオン源”ChemZo”による国産及び輸入ラム肉の香り成分の分析(第2報) | 理化学製品の株式会社バイオクロマト | 理化学製品の株式会社バイオクロマト

多目的イオン源”ChemZo”による国産及び輸入ラム肉の香り成分の分析(第2報)

アプリケーション

目的

飛行時間型質量分析計とChemZo(昇温加熱モード)を組み合わせて国産ブランド(わかめ羊、昆布羊)*及び輸入ラム肉に含まれる香り成分の比較を行った。

実験方法

イオン源  ChemZo バイオクロマト社製(極性; Positive, Negative)
質量分析計 compact QTOF Bruker社製
測定方法  ラム肉の赤身と脂肪を約25mgずつ切り取り、                                              POT L(大型ポット)に導入し室温から250°Cまで                                                  昇温(100°C/min)しながらMSを測定。
解析方法  Spectra Scopeを用いた差分解析(IDS)とデータベース                                          検索(Compound Search)。

*製造・販売: さとうみリファイン株式会社


結果 その1

Fig.1に国産ブランド品(わかめ羊、昆布羊)及び輸入ラム肉の赤身のTIC(ポジティブ、ネガティブ)を示した。また、Fig.2に脂肪のTIC(ポジティブ、ネガティブ)を示した。これらのTICから 国産ブランド品の赤身は輸入品に比べてポジティブ及びネガティブの強度が高いこと、一方、脂肪は逆に輸入品の感度が高いことがわかった。 香り成分は脂肪に多く含まれることから、TIC強度の違いは香り成分や保存状態の違いを反映している可能性がある。

結果 その2

Fig.3に脂肪のマススペクトル(ポジティブ、ネガティブ)を示した。 各TICのIDS及びCompound Searchを行ったところ、輸入羊肉の脂肪から牧草臭の原因成分と言われている4-エチル オクタン酸及び4-メチルノナン酸がヒットした。Fig.4にm/z 171.1391のEICを示した。
4-エチルオクタン酸と4-メチルノナン酸は構造異性体であることから、両者あるいはどちらかを含むと推定した。EICからこれらの成分は国産ブランド品にも少量含まれると推定できるが、強度が輸入品に比べて低いことから、国産ブランド品は牧草臭が少ないと思われる。Fig.5に4-メチルノナン酸標準品、及び、輸入羊肉の脂肪のマススペクトルを示した。


 

ご質問・PDFデータのご希望等、お気軽にお申し付けください。

 

    

 

 

多目的イオン源”ChemZo”についてはこちら

 

arrow_drop_up