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データベースを活用した添加剤の迅速分析

アプリケーション

はじめに

プラスチックやゴムなどの製品には、機能性や安定性向上を目的として、多種多様な添加剤が使用される。これらの製品から添加剤を分析する際、溶媒抽出等の前処理操作が不可欠であることが多く、結果が得られるまでに膨大な手間と時間がかかる。
DARTイオン源に昇温加熱デバイスを接続した ionRocket DART-MSシステムは、前処理なく添加剤を分析することが可能であるが、本システムと、我々が作成した「材料データベース」を組合せて、さらに簡便・迅速に添加剤を定性した事例を紹介する。

 

試料と方法

・試料:架橋ポリ乳酸(PLA)
・方法:分析システムは、DARTイオン源と質量分析計の間に、ionRocket(昇温加熱デバイス)を接続して構成した(Figure 1)
0.5mm角程度の試料をそのままPOT(試料台)に入れ、室温から600℃まで100℃/minで昇温を行った。

 

結果

下図にトータルイオンカレントグラム(TIC)と、添加剤が検出される温度帯である150~250℃区間の平均マススペクトルを示す。ここで検出された「m/z 241.12」のピークを例に取り、添加剤定性までの流れを説明する。 ① 質量分析計の解析ソフトにて、得られた精密質量から化学式を求める。②『材料データベース(収載数:約1000成分)』に目的ピークのm/z値を入力し、③ 検索を実行する。本データベースは一般的なネット上の化合物検索と異なり、高分子などの材料系に特化した成分のみを収載しているため、材料に用いられる成分のみがヒットすることが特徴である。④ 得られた結果から、①で求めた化学式と一致するものが該当する成分であると判断する。また、⑤ 本データベースから直接ChemSpiderにアクセスすることができるため、構造式を確認することも可能である。
このようにionRocket DART-MSシステムと本データベースを組合わせることで添加剤の定性が容易に行うことができるため、材料分析の更なる迅速化が大いに期待される。

 

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