同材質間での簡便識別法の提案~ポリエステル系樹脂~ | 理化学製品の株式会社バイオクロマト | 理化学製品の株式会社バイオクロマト

同材質間での簡便識別法の提案~ポリエステル系樹脂~

アプリケーション

はじめに

前報(JI-017 ポリエステルの誘導体化レス分析)において、ionRocket DART-MS分析では、メチル化剤を使用することなく、高分子の繰り返し構造に由来する分子イオンを検出でき、ポリエステル系繊維の種類を簡便識別できることを示した。
本報では、同材質のポリエステル系繊維(A社品・B社品)においても、添加剤と思われる特有のピークを指標とすることで、同材質間での異同識別が可能であることを示す。

 

 

試料i020_photo

ポリエステル系繊維
・ポリエチレンテレフタレート(PET)2種

 

方法POT

分析システムは、DARTイオン源と質量分析計の間に、ionRocket(昇温加熱デバイス)を接続して構成した。
約5mmの試料をPOT(試料台)に入れ、測定に供した。ionRocketの昇温加熱条件は、室温から600℃まで100℃/minとした。

 

 

結果

室温から600 ℃までのトータルイオンをFigure 1.に示した。

ポリマーの熱分解が生じる450 ℃において、両試料ともにPETの単位構造に相当するm/z 192間隔のピークが検出された。このことから、両者とも材質はPETであることが確認された (Figure 2)。
次に、300 ℃における両試料のマススペクトルを示した(Figure 3)。この温度帯ではポリマー中の添加剤が検出されるが、両者のスペクトルパターンが重ならないことから、配合されている添加剤が異なることが明らかとなった。

したがって、スペクトルパターンの一致度を指標とすることで、同じPETであっても、同製品か否かを判別できる。
本手法により、一度の測定で「材質同定」と「同材質間での異同識別」を簡便に行えることから、他社品分析や異物分析への適用が期待される。

i020_fig1Figure 1. トータルイオン

 

i020_fig2

Figure 2. 450 ℃におけるマススペクトル

 

i020_fig3

Figure 3. 300 ℃におけるマススペクトル

 

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