インタビュー

真鍋 尚美

2013年中途入社/人事・デザイン

前職は企業ブランディングのコンサルタント。現在は人事、労務、デザイン業務などをマルチに担当。

会社のロゴを見ただけでワクワクしちゃう人がたくさんいる世界を実現したい。

コンサルタントとして見えたのは「中から変える人」の重要性でした。

前職では、企業のブランディングを主軸にコンサルティングをしていました。事業立案から商品開発、販路獲得と仕事は多岐にわたっていましたね。一日に複数社に訪問をし、会議をして、またそれぞれの企業に対する企画を考えていく、と忙しい毎日を送っていました。多くの企業を担当していましたが、コンサルティングの結果、成長する企業とそうでない企業の大きな差は、そこで働く人たちがどれだけ本気で「もっと良い会社にしたい」と考えてるかだという事に気づきました。そして、なぜ、自社に対してそう思える人と、思えない人、行動できる人とできない人がいるのだろうと思うように。コンサルタントとして関わっている以上、あくまで外の人。今度は中の人として一つの企業を魅力的にしていきたいと思うようになっていました。そんな中で当社への入社を決めたのは、社長が経営におけるデザインの力を重要視しているという点が大きかったです。それは、単に美的センスがあるとかではなく、「外見は中身を表している」とか「中身の良さを伝えるために外見を良くすることも重要」といったことなんですが、こういうことを大切にしている経営者って実はそんなに多くないんです。これも前職で痛感したことですね。そういう事を理解している社長の元であれば、自分が得てきた経験を存分に発揮できると思いました。

任された製品開発、実は私、苦労はしてないんです。

入社してからまず携わった大きな仕事のひとつが「コンビニ・エバポ」の製品開発でした。当時、大元となる真空ボルテックス技術を用いた濃縮装置は既に完成してましたが、なかなか利益に繋がっていませんでした。より顧客に受け入れてもらうためにどうしたらよいか、既に購入してくれていたお客様からの意見を基に大きく改良する、そんなタイミングでした。私が担当したのは製品のデザイン面。こだわったことは沢山ありますが、中でも製品を理想の色にするのは難しかったです。といっても実際に苦労したのは私ではなく生産部ですね(苦笑)。製品に色を載せようとすると、既存の技術では、理想としていた「自然界にある優しい色」の表現がなかなかできなかったのです。そこで生産部が提案してくれたのが着色工程の途中で着色をやめる、というもの。通常は仕上がりの色を安定させるため、被膜に完全に染料を浸透させるのですが、それを途中で止めることで理想の色を表現するというものでした。もちろん加工をしてくれる協力会社にとってはイレギュラーでの対応となりますし、不安定な着色のため、まったく同じ色を毎回作り出すことも困難になります。そのため、生産部と一緒に色見本をつくり、完成品が一定の基準で仕上がるよう、製造のオペレーションを作成しました。私一人ではここまでのことはできなかったかもしれません。会社の中に頼もしい仲間がいてくれる有難さを実感しましたね。現在では当社のアイコン的存在となったコンビニ・エバポですが、改良したいことは沢山あります。これからももっと魅力的な製品にしていきますよ!

製品作りが好き、というわけではないんです。

コンビニ・エバポの最初の一台目が売れたときのことは今でもよく覚えています。販売から一ヵ月たった日、営業の渡辺から電話連絡がありました。売れたのは緑色の「Grass」というモデル。絶対に売れるという自信はあったものの、やはり嬉しかったです。みんなで生み出した製品に価値があると認められた瞬間ですから。こういう話をすると「製品作りが好きな人」と思われるかもしれませんが、実は私が一番興味を持っているのは「人は何に価値を感じるか」ということ。特にロゴやマークが与える印象や、そこに人が価値を感じる理由に子供の頃から興味があったんです。子供のころ、あるキャラクターのロゴ付きグッズがお気に入りでした。しかし、同じキャラクターのグッズでも全く惹かれないものもある。私はいったい何に魅力を感じて、また感じないのか、という事を子供ながら疑問に感じていました。そこから色々探求していくと、ロゴにはそれから想起されるイメージ、例えば、企業としての真正性や、保有製品の魅力、働く社員の魅力などがあり、それらすべてが揃ってロゴやマーク、キャラクターには魅力がそなわるのだということがわかりました。私が目指しているのは当社のロゴを、あのスターキャラクターのように、見ただけで誰もがワクワクしてしまう存在にすること。そのために、デザインや製品開発だけでなく、人事や広報など、全ての側面において魅力ある企業にしていきたいのです。現状は、正直まだまだ、といったところ。「日本の会社バイオクロマト」ではなく「バイオクロマトって日本の会社なんだね」と世界の研究者に言ってもらえるような存在になれたら、目標達成ですね。