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コンビニ・エバポ第23弾

導入事例紹介(ユーザーズボイス)

発光性レアアース錯体の溶解度の調整や溶媒除去に役立っています!!

今回は、発光性レアアース錯体の開発とメカニズムの解明を行っている長谷川先生にお話を伺いました。(インタビュー先:青山学院大学 理工学部 錯体化学研究室 教授 長谷川 美貴 先生)

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長谷川先生の研究内容

私たちは、環境に応答する発光性レアアース錯体の開発とそのメカニズムの理解をテーマとして、研究に取り組んでいます。用途は多岐にわたりますが、身近なものでは紙幣の偽造防止用蛍光インクなどがあり、まだその分野の可能性のほんの一部しか利用されていないと考えられているので、基礎研究を通して、レアアースの仕組みの理解を目指しています。

コンビニ・エバポの活用方法

溶媒に高い溶解性を示すレアアース錯体の溶解度の調整や溶媒除去のためコンビニ・エバポを使用しています。
少量の試料を合成後、溶媒を除去させ、構造を把握するため元素分析NMRを行っております。

<溶媒除去の実験条件>

10ml程度のスクリュー管に、アセトニトリル、エタノールなどの有機溶媒や水それぞれ容量2ml程度を乾固させる作業で、ヒーターの温度は40℃から60℃程度に設定しています。10名程度の学生達がほぼ毎日使用しており、3~4時間の稼働しているようですが、1サンプルあたりは20分程度の処理時間です。

<他の濃縮装置との併用>

容量が多いものを半分の容量だけ飛ばしたい時やサンプルを膜状にする際には、ロータリーエバポレーターを使用していて、デシケーターも時々使用しています。以前はクーゲルロールなども使用していましたが、現在ではコンビニ・エバポに代わりました。

※クーゲルロール:加熱部と冷却部の温度勾配を利用しサンプル精製に用いる装置

コンビニ・エバポ導入前の課題と改善点

<導入前の課題>

これまでは500mlや300mlのフラスコ型のロータリーエバポレーターを用いてある程度溶媒を飛ばした後に、スクリュー管に移し替えて、デシケーターで乾燥させていました。少量の溶媒を扱う際には、いつも気を使って作業を行っていました。

<導入後の改善点>

この何度も移し替える作業自体が無くなり、試料のロスを防げたことで、効率が良くなりました。作業工程が減り、少量でもモチベーションを保って合成を完了させられています

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保存用のスクリュー管でそのまま溶媒除去ができるという点が大きいと思います。移し替えする必要もなくなり、手間がなくなったことで、その後の構造把握へスムーズに移行できるようになりました。
特に元素分析の際には、コンビニ・エバポが良いと感じています。試料に負担なく、溶媒も完全に飛ばせるからです。測定には2ml程度あれば充分な量ですが、乾燥しきれずに溶媒が残っていたりすると結合してしまい、全く別の物質になってしまい、消光現象といって光の機能や強度が違うという問題が起きてしまいます。

実際使ってみて感じたこと

コンビニ・エバポは透明なBOXなので、目視で乾固しているかを確認できる点も利点だと感じます。
また、失敗することが減って作業の安全性も向上しているのを体感していますね。
例えば、試料内の不純物を取る為にクーゲルロールを使用していた際に、固体サンプルだと焦げてしまったり、突沸したり、ガラスが落下して破損させてしまう、という緊張感を抱えながらの作業だったのが、今では突沸リスクが無く、ガラスの破損するリスクも少なくなったので、誰でも安心して作業できています。
また、試料への影響がある訳ではありませんが、オイルバスなどでは試料瓶の表面がオイルで汚染されてしまうことなども、コンビニ・エバポのアルミビーズなら汚染の心配をしなくて済むことも安心ですね。
レアアース錯体は、まだまだ未知の要素が多い分野となりますが、解明してゆくことで化学の発展の可能性を追求していきたいと思います。そのためには、モチベーション高く研究を行う必要があり、コンビニ・エバポのような安心して簡易的に作業できる装置は貴重だと感じています。

取材者のコメント

長谷川先生は、発光性レアアース錯体のメカニズムを解明するため、基礎研究を行っておりましたが、元素分析、X線回折、NMRを行うにあたり、成分の回収率に課題を感じておられました。これまで500mlや300mlのフラスコを用いてロータリーエバポレーターで溶媒を飛ばしていましたが、フラスコからスクリュー管への移し替え時のサンプルロスや突沸リスクもあったため、気を使いながら作業を行っていました。それがスクリュー管でそのまま溶媒を除去できるコンビニ・エバポの特徴により、サンプルロス、突沸リスクを減らし、作業工数も短くなり作業効率が上がったことから、容器を移し替えせずに溶媒を乾固させることは、回収率を高めるため、元素分析などへも有効であると改めて気付いた事例となりました。

(取材担当:菊地)

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