DART-MS分析に適した質量校正物質

製品とサービス
はじめに

キャリブレーション(質量校正)は、質量分析において非常に重要な作業である。特に、飛行時間型質量分析計(TOF)などの高分解能質量分析計においては、適正にキャリブレーションがなされていなければ、精度良く組成推定を行うことができない。これまで、DART-MS分析におけるネガティブモードの測定では、適当な質量校正物質が用意されていなかったため、バックグラウンドイオン(大気中の脂肪酸やシロキサン等)を質量校正に用いられる場合があった。しかしながら、実験室の環境によりバックグラウンドイオンの種類・量の変動や、幅広い質量範囲で校正できない等の問題があった。
今回、これらの問題を解決し、より信頼性の高い精密質量測定を行うために、弊社の質量校正物質を紹介する。

 

試料

質量校正物質
DARTポジティブモード用【製品名:Calibration Solution (Positive)    製品番号:MS-CAL-P】
DARTネガティブモード用【製品名:Calibration Solution (Negative)  製品番号:MS-CAL-N】

 

方法

分析システムは、質量分析計にDARTイオン源を接続して構成した (DART-MS、Figure 1)。
ガラス棒に試料をつけて、DARTイオン源の前にかざして質量測定を行った。

 

結果

Figure 2で示した弊社実験室におけるバックグラウンドイオン(DARTネガティブモード)は、主として脂肪酸類(m/z 89.02:乳酸、 m/z 255.23:パルミチン酸、 m/z 283.26:ステアリン酸)であり、ステアリン酸以上の高分子量成分で検出される成分が無いため、広い質量範囲で質量校正を行うことはできず、高分子量領域での信頼性の高い精密質量測定を行うことが難しいことがわかる。

一方、Figure 3で示したDARTネガティブモード用質量校正物質では、m/z 84~1,500程度までの広い質量範囲で質量校正を行うことが出来るため、室内のバックグラウンドイオンでの校正に比べて信頼性の高い精密質量測定を行うことができる。これにより、脂肪酸や含フッ素ポリマーなどのようなネガティブモードで感度良く検出される試料において、精度よく組成推定を行うことができる。また、DARTイオン源使用時における質量分析計の極性切替の際に、ESIやAPCIなどのイオン源に付替えることなく質量校正が行えることも大きなメリットとして挙げられる。

ポジティブモード用としても、m/z 130~1200程度までの範囲をカバーできるものを用意しており、これらの質量校正物質はDART-MS分析の他、ionRocket DART-MS分析、Volatimeship DART-MS分析にも有効である。

 

Keyword

質量校正  キャリブラント  ionRocket  Volatimeship  DART  質量分析

 

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